あかんたれブルース

継続はチカラかな

わかってる人



「わかってるよ」

まだ何もいってないじゃないか

「だからわかってるってば!」

口紅が前歯にくっちてるぞ。

「えっ!?」


と、こんな具合で、わからんわからんという人もいれば
わかってるわかってるという人もいる。
ほんとにわかっているのかどうかは、わからないけれど(汗)

と、思えば
昨日までの私はそうだったかもしれないけれど
今はわかる。という人もいます。
女性に多い。常に今現在は完成されている
前向きなスタンスといえなくものないのですが、
なにをもってそれをジャッジするか
むずかしいものだと思ったりします。

わかっていても出来ないことってありますからね。

わかりたくない人もいれば
わかった気でいる人もいる

禅問答ではありませんが
わかってないことをわかっている人が
わかっているのかな、と思う今日この頃です。

客観的に自分を、相手を捉えて
フェアに理解できる。これを知性といってもいい。
そういうところに個人個人の世界観の広さ狭さが生まれ
個性ともいうし、以前テーマにした器ともいえるでしょうか。

近衛文麿という人物がいます。
この人に対する歴史的評価は低い。
いい人だってこのは認めても
まあ優柔不断の典型とされています。

この人は非常に頭が良くて理解力包容力はずば抜けている。
相手が何をいわんとしているのか
相手の先回りしてそれがわかるのです。
だから対話してても、その上にたった質問を相手に投げかけるので
相手は気持ちいい。自分のことを、意見をこの人ほど
理解してくれてる人物はいないと喜んで帰っていきます。
だからみんなに好かれていた。

嘘じゃないんです。実際に近衛はすべて理解していた。
強硬派の意見にもそれなりの正当性を察し
慎重派の意見にも成程と納得していた。

結果どうなったかというと、それぞれの意見を取り入れて
わけがわからなくなってしまった。

難しいものです。
頭の良さ、理解力、思いやりがアダになったわけだ。
彼に一握りの愚かさがあれば、
日本は戦争しなくてすんだかもしれない。かも

そんな近衛の問題点を考えてみて。
芸妓に生ませた私生児の娘がいて、
その娘が成人して対面する場面で
近衛は、父として彼女にこう声をかけました。
「色が黒いようだが、毎日海水浴でもしてるのかな」
こんなようなニュアンスですが、
結局、わたし思うには近衛は繊細なようでそうでもなかった
ん、だろうなあと。

頭良くても、野暮じゃあつまらない。
人間の機微がわかっていない。
そして、そのことを、そんな自分を
わかっていなかったんだろうなあと思います○