あかんたれブルース

継続はチカラかな

その地は誰のもの?

人間の条件(1)


満州について考えてみる。

日本は日露戦争でロシアから
この地の南満州鉄道の権益を獲た。
それは広大なこの満州の地の細い線でしかない。
日本人は領土を面で考えますが
それは豊かな日本でのことで、中国は点で考える。
その点は城、街であり、その外は原野荒野なのだ。
不毛の土地ということです。

満州も同じ。

ここは清国人つまり満州民族の故郷でしたが
200年以上も中国を支配している間に
この地には多くの漢民族が移り住んでしまった。
つまりいつのまにか母屋を侵略支配されていたのです。

その間、少数民族である満州民族は北京など
中国の都市で支配階級として特権階級として
非課税など様々な優遇を得て栄華を極め
堕落していったのです。

満州は治安が悪く、各農村は団錬という自警団を組織しました。
これが他の村を襲う盗賊にも変わる。
いわゆる馬賊というものです。
無法地帯、とにかく治安が悪いのだ。

日露戦争ではこの馬賊を日露双方が味方につけて
自軍の活動を有利にしようとした。
日本軍のもとで働いた馬賊では張作霖などが有名です。
彼は後に満州の支配者となる。

さて、鉄道権益をベースに満州開発計画が実行される。
多くの日本人が開拓民として満州に渡った。
日本国内は貧しくて彼らが生きていくのに困難だったのです。
開拓ですから、そこは荒野です。
そこを開拓して農地にする。

さて、これを侵略といえるのか?

その地に住む中国人を奴隷として使ったわけではない。
共存していたわけです。

「わずかな金で土地を奪った」という意見もありますが
開墾された土地にはそれなりの価値もありますが
荒野や原野にそういう付加価値はありません。
路線価図は限りなく低価格だったことでしょう。
そう思わない?

また、そう訴える中国人はその土地の所有権を
どうやって手にいれたのか?

ともかく、日本の開拓民の努力で農地が広がり
生産性もアップしました。
共存した中国人たちもその恩恵に預かったはずです。
違うか。

治安は関東軍が守りました。
またその背景には馬賊頭目だった張作霖も存在した。

満州事変のそもそものきっかけは
この治安の悪化にあります。

抗日運動がこの地にも飛び火したというか
意図的に仕掛けられたのでしょう。
その仕掛け人がソ連なのか、中国共産党なのか、国民党なのか
英国情報部なのか、アメリカなのか・・・
きっとすべてが該当するのでしょう。

蜜月だった張作霖とも不仲になって
邪魔になって抹殺してしまう。これが張作霖爆殺事件です。

満州事変から支那事変、そして太平洋戦争へ

日本は本土を空襲に晒され、追い込まれ
一億総玉砕が叫ばれる。

そんななかでも満州は意外と平穏だった。
昭和20年8月9日までは。

この終戦の6日前に
ソ連は日ソ中立条約を一方的に破り
突如、満州および樺太に進攻してきたわけです。
非道いものです。これが戦争、これが現実だ。
開拓民たちは軍隊から見捨てられ自力で逃げるしかない。

どこに?

日本です。が、これが遠いのだ。
満州から朝鮮までいって船に乗らないと帰れない。
途中倒れるもの、子供を中国人に託すものが相次いだ。
残留日本人孤児とはこのときに生まれたのです。

捕虜になった兵士はシベリアに抑留され
長い強制労働で酷使されたのです。
そして多くの者が死んだのだ。


満州は侵略だったのか?


誰の土地を、誰の国を、侵略したのだろう。


台湾、朝鮮・韓国の植民地と重ねて
考えてみてもいいのではないでしょうか。


(本日の名言)

軒先を貸して母屋を取られる