あかんたれブルース

継続はチカラかな

原爆とスパイとコストパフォーマンス



昨夜のNHKスペヤル
『盗まれた最高機密~原爆・スパイ戦の真実~』
観たあ?
(観た人へ)面白かったねえ
(観てない人へ)面白かったよ~
内容はタイトルの如くなのですが
第二次大戦末期に熾烈を極める
米ソ日独の原爆開発に暗躍したスパイ。
なかでもアメリカの諜報機関「アルソス」の
活動を証言からの再現ドラマで描いた
ドキュメンタリーでしたが
当時ナチスも米ソも日本も原爆の完成には
ほど遠かった。から
スパイが躍起になって駆けずり回っていた。
なかでも一歩リードしていた米国でしたが
マンハッタン計画も失敗の連続
起爆装置がうまくいかなかったのだ。
それを解決したのあは18歳でハーバード大学
卒業したという若い天才化学者ホールだった。
という流れ
途中には
ドイツの物理学者ハイゼンベルク暗殺(未遂)や
アメリカのウラン買占めそして戦後の世界戦略など
スリリングな展開でした。
大きくリードした米国に追いついたソ連には
四人のスパイの存在があった。
その四人目の第四のスパイというのが
なんと米国の若き天才科学者あのホールだった!

なんでそんなことを?

ホールは原爆完成後に米国がそれを独占する
ことを危険視したのだった。
米ソ両国が保有することで核のバランスが保たれる
と考えたようです。
確かに理屈にはなってる。
それは同時に米ソ冷戦時代の幕開けでもあった。

はたしてその選択が正しかったのか?
考えさせられちゃいますよね。
そんなことを考えてるうちに広島と長崎に
原爆投下。
まさに生体実験の大デモンストレーションだ。
その威力に愕然とさせられる化学者たち
そのなかにカールもいたわけです。

番組自体の内容の面白さもあるけれど
カールの判断が正しかったのどうか?
深く考えさせられる。
米ソ冷戦のおかげ(?)で
それ以降に核兵器は使用はされていません。
けれどもそれがなかったら朝鮮戦争ベトナム戦争
などなど大戦後の米ソ代理戦争は起こっていない
かもしれません。
また、反対に朝鮮戦争核兵器が使用された
やもしれない。ほんとヤバかったみたいですね。
キューバ危機みたいに・・・
そういえばあの時の土壇場で人類の危機を救ったのは
一人のソ連の青年士官でしたかね。桑原桑原
というか危なっかしというか頼りないというか
そういうものの綱の上にわたしたの歴史はある
わけです。
陰謀論者のいうところの
すべて計算しつくされた計画で遂行された
なんていうのは漫画の世界なのだ。

原爆投下に反対する「アルソス」のリーダーに
この事業の総合プロデューサーたる
豪腕レスリーグローブス将軍はこう言い放つ
「いったいこの事業にいくら費やしたと思うのだ」

コストパフォーマンス

こういうことだよね。
いったい原発にこれまどれだけ予算を費やしたか
と同じソロパン心理、いや経済論理なわけだ。
議会が国民が納得しないというコストパフォーマンス
そのパフォーマンスのために
広島長崎の人たちは屠られたわけだ。
皮肉というか愚かというか
恐いねえ

もうひとつ考えてしまったのは
日本の理化学研究所仁科チームが
ドイツの協力を得て首尾よくウランが入手でき
原爆をいちはやく完成させていたら
はたして日本はそれを使っただろうか?
なんたって沖縄玉砕から本土決戦
一千万特攻の状況だったとしたら・・・

コンニャクで作った風船爆弾にのせて
アメリカ西海岸に向けて調布あたりから・・・
途中、東京上空で落ちた!
なんてことにならなかっただろうか。

再放送あったら是非観てください。
絵画をめぐるスパイ戦よりも
手に汗握ることは間違いない。