日本人の生死観(2)
今でこそ中国や朝鮮半島では戦後にそれぞれの体制が確立して
日本の侵略戦争を批判します。
ただし、彼らのとは別に、当時の日本(軍)に協力して人生を賭けた人たちも沢山いました。
以前、中国人は人生で一回大勝負を賭けて、後は遊んで暮らしたいという理想を持ってる。
と書き込みましたが、その選択肢として彼らは日本に賭けたのです。
結果は失敗。
負け組でした。処刑されたり地下に潜伏したり、人それぞれです。
良い悪いは別にして、中国や朝鮮半島でも「それぞれの思惑」があったわけですね。
一概には言えませんが、そこに「人生欲と道連れ」があったんでしょう。
では、当時の一般の日本の兵士たちにそれはあったのか?
鬼畜米英でこの戦いを勝てば、南方に農場を持てるとか満州に工場をもてるとか
手持ちの国債が10倍になるとか、あったのか?
そんなのありません。ごく一部ではあったんでしょうけどね。ごく一部です。
では、あの自決した520余名は全財産を賭けていたごく一部の人たちか?
それも違うでしょう。
想像するに、そこに天皇崇拝とか責任とか絶望とかがあったのだと思います。
けれども幕末から明治政府になって全国諸藩が廃藩置県によって中央に一本化され
天皇を中心にまとまった性急な社会変革でなぜそこまで天皇に対しての忠義がたてられたのか?
(江戸期から幕末に発酵した尊皇思想か? 発酵はという表現はよくないですね。)
天皇家の血筋云々は南北朝時代での北朝勝利に対して異議を唱え懐疑的です。
それ以上に明治天皇の出自でさえも疑う声は以前からありました。
ましてや大正天皇からの4人の親王たちはもっと疑わしい。
にも関わらず、近代の日本の天皇忠誠の気運は日増しに高まります。
私はそこに日露戦争の勝利と旅順攻略を担当した乃木希典。
その乃木の殉死がひとつのエポックだったのではないかと思います。