裏と表と時間差
ある日、幸運の女神・吉祥天が訪れてきました。
喜んで家の中にいれようとしたら、
一緒に小汚い不細工な女が後ろから着いてきて一緒に上がり込もうとします。
「おまえは誰だ?」
家人がそう問うと、「わたしは吉祥天の妹で貧乏神の黒闇天」と言う。
そんな貧乏神なんてお呼びじゃない。とっとと出ていってくれ! と言うと、
吉祥天も一緒にその家を後にした。
幸運の女神・吉祥天には貧乏神の妹・黒闇天がセットになっていて、
この姉妹は常に行動を共にしている。
禍と福は表裏一体だという仏教からのお話です。
むかし中国に塞翁(さいおう)という老人がいました。
ある日、彼の飼っている馬が逃げてしまい、人々はその不運に同情をよせた。
しばらくすると逃げた馬が見事な駿馬を連れて帰ってきました。
人々はその幸運を祝いました。
ところが、彼の息子がその馬に乗って落馬してしまい、足を骨折して障害者になってしまう。
人々は見舞いに訪れ、その不運を嘆いたものです。
一年後、塞翁の国は隣国と戦争になり、多くの若者が駆り出され戦死した。
塞翁の息子は足が不自由だったために兵役をまぬがれ命拾いをしたのでした。
すべての物事には表裏が必ずあるものです。
わたしたちが考える幸運とは運命の一側面しか捉えていません。
運は変化するもであり、次の変化のサインだといわれます。
すべてが連動している。そして循環しています。
これが運命の法則かもしれない。
幸運について(2)運命の法則