あかんたれブルース

継続はチカラかな

酒乱だったとしても、だ。

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酒乱の話である。

これでしくじった方も多いでしょう。
三国志』だと張飛かな。

近現代史では黒田清隆でござる。

この人、「酒さえ飲まなかったらね〜え」っていう典型で、
シラフの時は好漢好男子、まさに仁の人。そして冷静沈着。
また先見の明もあって薩長同盟にも奔走した人物。

戊辰戦争では河井継之助榎本武揚の命を助けようとした人。
榎本武揚の時はそのために頭を坊主にしている。
(画像参照)

維新後、西郷が死んで、大久保が暗殺されると
薩摩閥の筆頭実力者になる。
つまり維新のときは薩摩のナンバー3だったわけです。

日本の内閣総理大臣第一号は伊藤博文ですが、
第二号は黒田清隆だったということがその証。かな。

しかし、この人、酒癖が悪い。

あの川上操六も辟易していた。
北海道開拓長官時代に酔っぱらって大砲を発射して住民を死傷させてもいる。
井上馨の屋敷に刀を持って乗り込んだことだってあるんだ。えっへん

酒さえ飲まなかったらね〜え、いい人なんだけれど・・・

その中でも、明治十一年に酔って妻を斬り殺したって事件。
これは、強烈で今だ語りぐさでございます。

それを新聞が報じて、狼狽した伊藤博文井上馨が処分を求めた。
そのとき、
大久保利通
「黒田はそげなこつする男じゃなか!」と庇い
部下の、川路利良大警視に黒田の妻の墓を開け、病死であることを証明させた。

が、世間はおさまらない。
「川路は薩摩だしね、きっとヒソヒソよヒソヒソ」

真意ははっきりしない。けれど、この噂がいまだに生きている。
原因のひとつにセンスのない歴史考察家のせいもあります。
きっと、薩摩閥だからね、ヒソヒソよヒソヒソ。と

そこで、センスには定評のある馬ちゃんが推理しちゃうよん。

この妻殺しのソースを新聞社にリークしたのは大隈重信だといわれてる。
大隈は薩長藩閥政治を攻撃する民党の親分じゃ。
これを材料に政府に薩摩閥に揺さぶりをかけようとしたことは
充分に考えられる。つまり政争の材料ですな。

で、黒田を庇った大久保利通
彼は非常なリアリストです。
彼の性格からして、真実に反するかばい立てをするとはピンとこない。
また、それを騒いだ伊藤と井上は長州閥ですがオチョコチョイでもある。
少なくとも伊藤は大久保に心酔していますから
これは世論が騒いでいるとの狼狽からの行動とみていいのではないか。
そこで、大久保から一喝された。

ただ、こうなると一度騒いだ世間の疑念は払えない。

でね、肝心なのは黒田清隆の性格です。
もし、仮に、酔った勢いで妻を斬り殺したとしてですよ。
その時の記憶がなかたとしても、酔いが醒めて、その事実を知ったとして
それをどう受け止めるか。

少なくとも、その後政府要職を務め、総理大臣になると思う?

えっ? わかんないよ。ですって、そりゃゲスの勘ぐりってものですよ。

杉山がね、明治十八年に黒田を訪ねている。
そのとき、杉山は
「今日酒を飲んでいるならあなたとは話はしない!」ときつい一発をかまし
その後は好き放題のことを捲し立てて、
自分の身柄の安全と仲間の釈放の要求を取り付けている。
黒田は杉山の打倒とする藩閥政治の首魁です。超然主義者の代表選手。
その黒田が、快くそれに応じている。

こんな漢、黒田清隆が妻を殺して総理に就くなんて、ないね。

ということで、120年の長きに渡る黒田清隆の醜聞を晴らすぞ。
黒田清隆は酔って妻を斬り殺してなどいない。

なに?酒乱に同情的すぎる?きっとお前も酒乱だろうって?

失敬な!

わたしは酔っても
せいぜいパンツ脱いで
ルーズソックスにチンチンを入れて
ぞうさん」の唄を
歌って踊るだけじゃよ!