あかんたれブルース

継続はチカラかな

軍人をみたらスパイと思え・・・



前回の「国家鳴動」で好古はめでたく多美さんと結婚しましたが
児玉源太郎が仲人だったんですね。

児玉と好古の関係ってあまり紹介されていなかったので
意外でした。
でも陸軍大学の校長だったわけですから充分ありえますね。

児玉は騎兵を運用できなかった。

これまで読んだ関連書籍から間接的にそう伝えられている気がします。
日本騎兵の父以外にそれはできない。
といっても規模も大きくないですからね。日露戦争でも二個旅団。

でも、児玉は諜報(情報)に関しては
川上操六の後継者だった。
川上操六(薩摩)→児玉源太郎(長州)→福島安正(松本)
というラインで参謀総長は結ばれていきますが
残念ながら福島は藩閥外で潰されてしまいます。
潰したのは薩摩閥の上原勇作とされていますが・・・

もう一度、陸軍大学一期生をチェックしてみましょう。
秋山好古 大将(説明省略)ブービー
井口省吾 大将(児玉源太郎の左右にあった文殊菩薩といわれた参謀)
石橋健蔵 中将
仙波太郎 中将(桂太郎(または林太郎)、宇都宮太郎と共に「陸軍の三太郎」)
東條英教 中将(首席、東條英機の父。)
長岡外史 中将(日露戦争では児玉の後任として参謀次長。)ビリ
藤井茂太 中将(黒木第一軍の参謀長)
山口圭蔵 少将、優等
榊原宰之助 歩兵少佐
山田一男 歩兵少佐

卒業生は10名。
入学時は15名だから5人は中退退学したことになる。
そのなかに根津一もいたわけです。

仙波太郎も好古と同じ松山出身でしたね。
この人、参謀畑を歩みますが日露戦争では諜報活動を担っている。
また彼と共に陸軍三太郎といわれた
宇都宮太郎も参謀部で情報収集・分析業務を担当して、
日英同盟の頃はイギリス大使館附武官(当時のロンドンは世界の情報が集中)。
明石大佐の大諜報を支援しています。

明治の初期から中期にかけて情報収集、諜報はとっても重要視されてた。

秋山好古の陸軍大学の前の陸軍士官学校に目をやれば
同期(旧3期)には上原勇作、柴五郎、藤井茂太・青木宣純・落合豊三郎などがいます。

柴五郎は会津出身で陸軍部内きっての中国通。『北京の55日』の伊丹十三
坂の上の雲』でも真之が米西戦争を観戦してるとひょっこり現れます。

青木宣純は袁世凱がもっとも信頼した日本人。
日露戦争では児玉源太郎に乞われて
ロシア軍後方における破壊工作を行った特別任務班を指揮した大諜報軍人です。

これに根津一が旧4期で、荒尾精が旧5期・・・

旧6期には花田仲之助と明石元二郎がいる。
花田仲之助は対ロシアの特殊工作に従事した薩摩の出身の軍人。
玄洋社大陸浪人14人と大陸浪人に偽装した参謀本部情報将校を中核とし、
満州馬賊を纏めて満州義軍を編成した人物。

やっぱり
明治の初期から中期にかけて情報収集、諜報はとっても重要視されてた。いた、いたな。

因みに(満州軍)総司令部の参謀副部長福島安正が情報担当ですが
作戦課長の松川敏胤も独自の情報部をもっていました。
それを担当したのが江木精夫。二人とも陸軍士官学校の旧5期です。つまり荒尾精と同期。
因みに、この江木精夫の兄の妻が大正三美人の江木欣々。

そして、好古もロシアの諜報活動をやっていました。
旅順要塞を見学したのは好古と大庭二郎ぐらい。

というかさ、みんな諜報やってたんじゃないか(汗)。



ドラマ「坂の上」血風録(15)