あかんたれブルース

継続はチカラかな

革命のお値段は60億円なり



お金の話で横道にそれますが
余談だが
です。

日露戦争でも明石元二郎の諜報活動に
参謀本部から100万円の機密費が諜報活動資金として渡された。

というのが定番ですよね。

当時としては大変な金額です。が、はたして100万円ってどれぐらい?

現在の80億円に相当するそうです。

このうち、明石は27万円を返還した。
これが明石の金銭に対する清廉をあらわすエピソードになっている。
ということは、73万円を使ったわけだ。
だいたい60億円です。

大きな金額ではあるけれど、ロシア転覆革命の資金にしてはちと微妙な額です。

とはまた別に、日本はお金がなくてピーピーしていた。わけですよね。
借金で戦費を賄っていた。
けれども、活動資金は現ナマでなければ意味をなさない。
そんなお金が参謀本部の機密費にあったのか?

無論、福岡玄洋社・炭坑の金も使われたでしょうが
それは参謀本部経由ではない。

経由ではない・・・

はて?

このあたりを探るヒントとして
『明石工作』(稲葉千晴著・丸善ライブラリー)という面白い本があります。

「明石の諜報活動はロシアにバレバレだった」という売りで
ちょっと話題になったものです。日露戦争好事家にはね。
明石工作の是非はともかくとして、なかなかしっかりした内容です。

このなかの明石と参謀のやりとりはなかなか生々しい。

当時の参謀本部っていうのは東京の大本営ですから
山県が参謀総長です。山県にそんな甲斐性はない。ありません。
それもあって寺内(陸相)も長岡外史(参謀部次長)も
事細かく煩くシブチン。
小村寿太郎外務大臣)は最初から否定的。
また小村から各外交官に渡された機密費は2万円ぐらいでした。
小村もシブチン。というか
各省の機密費なんてそんなものでしょう。

因みに北清事変の日本の4260万円です。第五師団を動かしただけ。
3408億円だよ。一個師団で

明石は一人で一個師団の活躍をしたいわれた。
60億円・・・これでロシアを転覆できるものなのか・・・

明石の60億円は大きいといえば、大きいし
小さいといえば、小さい。微妙な金額だと、思いませんか?



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