あかんたれブルース

継続はチカラかな

ポダムは原発でリベンジした。


正力松太郎、元内務省の警察官僚だったが虎ノ門事件の責任を負って退職。
そのとき、後藤新平の援助から読売新聞の経営権を買収、社長に就任した。
その企画力、経営手腕から、僅か5万部だった発行部数を300万部までに拡大させた。

戦後、戦犯として巣鴨に拘束されたが、釈放されると
テレビの開局に乗り出す。これが現在の日本テレビである。


みなさんは日テレというと、民放のひとつと思うのでしょうが、そうじゃない。
日テレっていうのは日本のテレビ導入にNHKよりも早く着手していた。
時はまだ1950年代初頭です。
NHKといってもラジオの時代で、電通もテレビは時期尚早と考えていた。
しかし、正力はそうは考えなかった。そして行動を起こしていた。
一口1000万円の株を売りだし7億円の資金を調達したのだ。
1950年頃の話ですよ。今の7億円とは桁が違う。

なぜ、ここまで正力は自信をもって行動できたのか?
そこには米国の強力なバックアップがあったからだ。

米国は日本の戦後政策に大きく影響をもっていた。
というか、米国指導のもとで日本の復興政策はあったといえる。
そのなかで、米国はメディアという存在を重要視していました。
「日本人は識字率も高く、よく新聞を読む」ことから
まず、新聞にターゲットが絞られた。
その時、標的になったのが讀賣新聞の総帥正力松太郎だったわけです。

暗号名「ポダム」として、
正力の名はCIAの作戦ファイルに400頁以上も登場する。

米国はテレビを親米反共のプロパガンダに利用したかった、だけではない。
その通信システムを軍事利用にまで活用したかったのです。
それを「ユニテル・マイクロ波通信網」といいます。
インターネットが普及している現在であればなんてことはない
ネットワークシステムなんですが、当時としては大変なことでした。

同時に正力は腹心の柴田秀利を交渉役として1000万ドル借款まで目論む。

面白いですねえ。米国から金を引き出そうとする。
だから、正力が暗号名を持つ米国のスパイだったってするのは早計。
蛇の道は蛇ってやつで、生き馬の目を抜くってやつだ。
それは暗号名ポーラスターの辰巳栄一にしても同じだ。
また、国防から再軍備を押しつける米国に対して
経済復興を優先させようとする吉田茂にしても同じです。

よく、陰謀陰謀と騒ぎ立てる人達がいますが、
陰謀はある。駅前の八百屋のオヤジだってあるです。
目論見をどう達成できるかがすべてなのだ。

その意味で、正力や辰巳や吉田茂はある意味で米国・GHQ・CIAを
上回っていたとも考えられるね。すこし誉めすぎでしょうか(汗)

さて、正力は吉田茂の協力もあって
まんまと野望を達成するかにみえた、が、どっこい、最後の最後で挫折する。
理由のひとつは米国議会・政府の主導権争いなのですが、
日本でも吉田茂が土壇場で正力に借款条件の承認を与えなかった。
これは、正力がライバル鳩山一郎側にまわったことに対する報復だった。
同じ、保守勢力でも吉田自由党と鳩山民主の対立があります。
日米双方が入り乱れてのバトルロイヤルです。
こういのがあるから陰謀があってもなかなか成就しないのだ。

さらに吉田は電電公社(現在のNTT)を動かして、
日テレの米国借款潰しを行う。そして、永田町では
「正力・マイクロ波構想は米国の陰謀だ!」の怪文書が飛び交った。
これが国会で取り上げられ大問題となる。

正力松太郎はここで挫折する。

この挫折のリベンジとして
原発」(原子力発電)導入があるのです。
http://blogs.yahoo.co.jp/djkxq447/52048473.html