あかんたれブルース

継続はチカラかな

母のバカンス



昨日は羽田に母を見送りに行ってきました。
8月2日から19日間の滞在だった。

今年の12月で85歳です。
ボケは昔からの芸風ですが、その芸風に磨きがかかり
同じ話を何度も聞かされる。

妹の幸子は壊れたおしゃべり人形と表現し
叔母は今日の出来はまずまずだった、とか
古典落語噺家のように捉えているようです。

耳にタコがいくつも出来るような話なのだけれど
わたしが悶絶するのは
A→B→C→Dの流れで起承転結となるはずのタコ話が

A→B→C→B→C→A→B・・・となかなか
オチのDになかなか繋がらない(汗)。
こっちは耳にタコでオチを知っていますから
余計に気が遠くなって気が狂いそうになります(汗)。

墓参りにはこだわるけれど(今回は四回)
線香も、数珠さえも忘れて手ぶら状態。
こういった心がけでいいのだろうか?
終わると「ああホッした気が晴れた良かった良かった」と
まるでこれじゃあモロ現世利益のようです。

日曜日に築地本願寺に講話を聞きにいったんですが
寝てたよ(汗)。有り難いというか面白い話だったのに(涙)
坊さんの声が小さくて聞こえなかったと弁明していた。
まったくバチアタリな婆です。

母の耳もだいぶ遠くなりましてね。

辻褄のあわないことばかり言い募るで
「あのね、」と妹の幸子が大きな声で諭す聞かせると
首を上下にふって神妙に聞いている。
その図は
幸子が志村けんのようで
母親がパンくんのようだ。

そして、最後に母は一言
「わからない」できっぱりシメル。

チンパンジーより賢いのかバカなのか、
わたしにはわからん。

食の好みも変わった。
以前は刺身や寿司が大好物でしたが
今はラザニアとかカニクリームコロッケとか
アイスクリームを勧められて断ったことはない。
肉は嫌いなはずだったのに
冷やしラーメンに入っていた焼き豚を
「これ魚?美味しい」とパクパク食う。
トマトは嫌いになりました。

それにしても旺盛な食欲だ。
84歳でこれだけ食えれば立派なものです。

こんな頓珍漢な母親でも
わたしたち兄妹にはかけがえのない母。
ですが、
世間の相対評価でジャッジすれば34点ぐらいでしょうか。
わたしに似て性格はよくありません(涙)。
というか頭が悪い。
彼女の逸話、武勇伝を語れば聞けば
大活劇の人生は悲劇というよりも喜劇だ!
と、達観するか寝込んでしまうかのどちらかでしょう。
妻は結婚当初から引いております。
わたしたち兄妹は血縁なので、そうもいかんのです。

よくアダルトチルドレンを自称して
自分の親のことをぐだぐだいう人がいるけれど
一月ほどうちの母親をレンタルさせてみたいです。
親のありがたみが一発でわかるかもよ。

そりゃあねえ、理想的な親なんてものは
上をみたらキリがありませんって(汗)。

昨夜のNHK『家族に乾杯』で
ブータンに行った鶴瓶が親と子の絆を
誕生日というのは、お母さんが必死の思いで
あんたを生んでくれた日や。と、おどけたギャグ
(赤子の泣き声ではなく母の絶叫)で
ブータンの母と子らを笑わせていた。

ギャグ自体はなんてことないのですが
なかなか上手いことをいうなと感心した。
鶴瓶を褒めるのは生まれてはじめてです(笑)。
というか『家族に乾杯』を観たのもはじめて(汗)。

と、電話が鳴って
母から無事帰宅したとの電話。
まずは、ほっとしたところでした。