あかんたれブルース

継続はチカラかな

観念論情緒論に背を向けて

バックボーンフリー(5)


昨日、山陰の全国行脚から帰還した
古市さんから電話があって
へこんでおりました。

今回、見捨てられ朽ち果てた村落で
たった一軒その地を死守している
お宅を訪問して一泊されたようですが
なんとも現実の厳しさを痛感されたようだ。

森林、山が荒廃していく。

自然は野放しでは荒れてしまう。
人間の手入れがあって
野山はいきづいている。
自然=原野、ジャングルではないんだな。
この日本では
昔からそうやって自然と人間が持ちつ持たれつ
共存して共生してきたわけだ。
わたしたちが懐かしみ賛美する
あの里山の原風景もまた人の手がはいった
ものであるわけです。

地方出身者、また地方に住んでいる
方なら御存知だと思うけれど
地方が枯れている。
全国にひろがるシャッター商店街
過疎化、子供を育てても子供は都会に巣立ち
帰ってこない。わたしもその一人だ。

農業なんて林業なんて
バカバカしくて誰もやりませんよ。
ボランティアじゃ食ってはいけないし
伝統工(公)芸じゃないんだから

「なんとかなりませんか馬太郎さん」

と古市さんは臍をかむ。
なんとかっていってもねえ・・・

教育でなんとかしなければならないと
老体に鞭打って情念の世界を展開する
古市さんの気持ちはわかるけれど
はたして、農業林業水産業などを
教育したからって、若者がはいわかりました
とそういう道に進むというほど
単純な話じゃないと思うけどなあ・・・

ま、そんなことは言えないので
黙って聞き役になっていたのですが
結局TPPとか反対して
中途半端な保護政策に頼っていても
埒あかないと思います。

もう、一度とことん追い込まれて
二進も三進もいかないほど破戒されて
ようやく本気になる。
他人事じゃなくなるくらい大事にならないと
動かないんじゃないのかなあ。

電話がきたとき
ちょうどBSで『ディア・ドクター』を観ていた。
この作品は無医村の無免許医師の話。
以前、トリックスターさんのレビューを
読んでいたのでついつい最後まで観てしまった。
過疎や老人問題、生死の問題様々な
問題をなげかけていました。

それでも、映画の舞台となる田園風景は美しい。
あと、十年二十年経てば
あの村も朽ち果てていくのかなあ
そのときはロケ地をかえればいいだけなのか?
あるのかなあ・・・


自然を自然が蝕んでいく皮肉
荒廃した原野を目の当たりにて
「これでいいのだ」
と、はたしていえるものなのか?

そんなの人間の主観的「自然」だ!といって
それを批判できるものなのか?

たしかに人間がまったく棲まない世界で
何百年も見ないで知らないでいたら
自然に淘汰されてそれなりの
秩序も出来上がるのでしょうが
そこまでほおっておけるものなのか?




林業従事者をまず地方公務員に!


セコイような
話ですが
そういうことなんじゃないの。
いらない役人は多いわけだし