情動の知性(2)感情制御(其の一)
現代はストレス社会だといわれます。不安や苛立ちから鬱に陥ったり、
「キレる」という怒りの衝動を爆発させてしまう場合も多いようです。
それを自分なりに制御する力、能力の重要性を説くものですかね。
『怒りのセルフコントロール』(創元社)にはその対処法として、
「自問自答法」「ストップ法」「紛らわせ法」の3つをあげています。
「自問自答法」とは、
理詰めでその怒りの要因を探り、冷静に判断して自身に問いかけ、
さほどの事でもないと納得できれば「消し去る」と自身に説得するもの。
「ストップ法」とは、
「自問自答法」でも怒りが残った場合に思考を自主的に強制的に停止させてしまう。
「紛らわせ法」とは、
その怒りやイライラを他の事に注意(興味)をそらしてしまう。
ただ、これは「怒り」の対象法であり、その症状からは
自問自答法<ストップ法≦紛らわせ法 となり、受け取る人によっては、
そこまではないでしょう。と、なってしまいますよね。
私はむしろ「怒り」を表に出せない人のほうが多いのではないかと考えてしまいます。
そう考えると「自問自答法」は大いに参考にはなるとは認めるのですが、、、。
私たちは喜怒哀楽について、いつの頃かナーバスになってしまっている。
特に「怒」に関してストイックで東映仁侠映画の健さんのように
ガマン劇を演じることを美徳として、
気が付けば爆発させている状況に陥るのでしょうか。
なかにはそれでも爆発できずに自分の心を苛み続ける場合も多いようです。
仏教本や啓蒙本では、その対処法として
「こだわり」を捨て去ることを進めています。
その狭い了見を捨てて、もっと大らかに生きましょうというわけですね。
まあそれはそうだけど、そう簡単にいけば誰も苦労はしない。
仏教本のアキレス腱は本来の教典が出家(坊主)者に書かれたもの。
それを在家(一般人)にあてはめるから無理があるのかもしれません。
と同時に、「喜怒哀楽」を表に出さないことが美徳で、人格者であろうとする。
リーブ21(育毛)のCMで言う「100人いれば100通り」なのですから、
自分なりの喜怒哀楽を上手に発散させる表現を身につけることが大事ではないでしょうか。
好々爺なんてそういません。それは断言して言える。