あかんたれブルース

継続はチカラかな

嫌な民主主義

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メディアと民主主義(余談・2)


先日、マンションの理事会に出席しました。
そう熱心なほうではないのですが、
大規模修繕工事でのエアコンの不調に対する対応の不味さと
駐輪場での悪質ないたずらへの対応要求を提案したかたので
久々に出席しまいた。

会議の報告事案が終了する頃に挙手しようと待っていたところ
出席者の方がみょうなこと質問をした。

なんでも、ゴミ出しの件で暴言をはかれて脅迫されたといいます。
新聞紙を入れたゴミ袋のなかに瓶類が一緒に入っていたのを注意された。
その方は身におぼえのないことで、冤罪なのだという。
で、その暴言というのが
「俺はやくざだ。若い衆をお前の部屋にむかわされるぞ」
だった、とか(汗)。

近所にやくざうるのかなあ・・・と
よく見えない話だったのですが、どうもその暴言を吐いたのがウチの管理人だった!

そこで吃驚した(汗)。
眠気が一発で吹き飛んだ!

実はわたし、管理人さんとは仲が良くて
ゴミ出しのときとかよく世間話をしたりするです。
もう定年を過ぎていましたが元第一勧銀出身の銀行マンだった。
確かに短気なところはあったかもしれない。
わたし自身最初に台車を借りる件で誰かと勘違いされて
揉めたことがあります。どうやって仲直りしたかは忘れましたが
ま、それ以降は非常に良い関係で10年を越えるお付き合いだった。

管理人さん、仮にMさんとしておきましょう。
Mさんは話好きでわたしを見つけるなんだかんだ話かけてきます。
マンション内の問題とか、色々な愚痴がありました。
マナーとかモラルとかデタラメな人っていますからね。
粗大ゴミを放置する人とかわけもなくクレーマーな人とか色々です。全部じゃないんですけどね。

しかし、あのMさんが・・・

ちょうどその数日前にテレビを買い替えので古い方を処分するのに
台車を借りにいったところ、違う管理人さんだった。
「あれ? Mさんはお休みですか?」
なにげに訪ねたところ、退職するのでピンチヒッターで来ています。とのことだった。

退社かあ・・・そういえばMさんも最近老けこんでいたもんなあ・・・

ところが、Mさんの退職理由は年齢的なものではなかった。そのときはじめて知りました。

Mさんの暴言に憤ったその方は、さっそく管理会社に苦情を言った。
管理会社はMさんに確認し、「つい、カッとなって言ってしまった」という。
そして即、解雇となったようです。

しっかし、Mさん・・・それは不味かったねえ(汗)。

その相手が犯人だったかどうかは別として
Mさんの早とちりだったか、もう少し確証をもって注意すべきだったねえ。
なんにせよ、「やくざ」はよくないよ(涙)

なんとも苦笑いだったのですが・・・

理事会の雰囲気がざわめいている。
出席者もようやく事の真相が理解できたようだった。

ところがさ、なんというか、大方の雰囲気がみんな被害者というか
「そういう人をなんで雇うのですか!」「どういう査定で雇用しているのですか!」
「本当にやくざだったんですか!」といった質問にわたしはすっかりしらけてしまった。

その暴言を吐かれた方もそれから心配で心配で(いつ若い衆が乗り込んでくるか)
だったそうですが、しかし12年半も勤めた管理人なのに
本当にやくざだったと思ったのかなあ?というかお付き合いはなかったのか?
週に5日は出勤していたんだから3120日、盆正月を差し引いても
3000日は常勤してたんだぞ。
それに「やくざ」で「若衆」なんて、漫画じゃないんだから
だいたいやくざの親分がマンションの管理人してるわけないじゃないか。

でもこの記事を読んだ人のなかにも
「そんな脅迫は許せません!」て感じる人も多いんだろうなあ。憂鬱・・・

そういった被害者意識が蔓延しだしていることに次第に苛立ってきた。
なんというか『あらしのよるに』のヤギたちの群のなかにいるような
とっても居心地の悪い気分になっていく。

これなんだよなあ、俺が理事会で出たくない最大の理由は(涙)

挙手していた。

なんか司会の理事長が当惑気味。かまわず

「確かに、管理人の暴言は問題であり、その後の管理会社の報告も不徹底だったことは確かです。
 しかし、居住者として、実際問題として、ちゃんとルールを守ってゴミ出しをしていない一部の居住者がいることは
 事実です。げんに粗大ゴミのマットレスや椅子などが放置されていました。
 集合住宅としてのルール、マナーはしっかり守っていかないと一部の人のためにこのマンション全体の資産価値にも
 影響します。今後、理事会でもこういった事を呼びかけてほしいです」

別にわたしの意見に異を唱える者なんていない。そうなんだもの。
議長はさらりと「ごもっとも」と話をまとめた。

これでMさんの無念に一矢を酬いたとは思わないけれど、
なんというか、そう、民主主義というものにわたしは疑問というか違和感をもつ。
結局、多数決だし。議論っていってもねえ、議論のための議論もあらあな。
それでも、原則論的にそれが重要だという。それもわかる。しかしだ、なんか見失っている。

さよなら、Mさん。
最後の御挨拶もできませんでしたね。

よし、手紙を書こう。この記事を書いていたら無性に書きたくなった。
住所はわからないけれど管理会社に渡したら届けてくれるだろ。

御苦労さまでした。色々お世話になりました。
有り難う御座います。