あかんたれブルース

継続はチカラかな

スピノザの笑う豚饅



もうかれこれ18年ほど前になるかなあ
鹿児島に日帰り出張があって
行きの羽田の売店花村萬月の『笑う山崎』を購入。
それまでデビュー作の『ゴッド・ブレイス物語』から
この作家の初期の作品はほとんど読んでいたと思う。

バイオレンスものが流行ってた頃でした。
そんななかで花村萬月の作品も何本か映画に
なっていました。わたしは一本も観ていない。

わたしにとって花村萬月とは
南こうせつのような感じで、彼がテレビに出ると
顔をそむけるように、
本屋で花村萬月の作品を見ると
目をそむけるしまう。

あるときから急に嫌いになった。
いつから、なんの作品からだろう?
『ジャンゴ』からだろうか
猫、猫の息子かな・・・もうどうでもいいや。
だから芥川賞受賞には意外だった。
その受賞作も読みましたが、
あれえ?これって・・・どこかで・・

ま、そんなベルボトムジーンズのような
花村萬月ですがわたしにとって愛を考えさせる
最初の切っ掛けをとなった作家でもある。
それはこの『笑う山崎』のハードバイオレンスな
描写のあとのあとがきにあった
出版パーティーでの作者の捨て台詞

「愛だよ、愛」

これ作者自身の捨て台詞ですからね。
取り残された編集者同様に、わたしも戸惑ったよ。

愛ってなんだろう・・・

まるであまちゃんのようなおじちゃんです(涙)
なんでこんなやくざがリンチでホース咥えさせて
蛇口ひねって風船みたいに平気でできる
主人公の物語のあとがきに愛なのか?
しかも作者は「愛」を知ってるような口ぶりだ。

その頃、わたしはまったく知らない。

なんで、花村萬月は知ってるんだろう?
デビュー作『ゴッド・ブレイス物語』を思い出してみる。
痛い作品だった。
主人公は超美人ボーカルという
音楽バンドドラマだった。
それが最後に敵役みたいなクソやくざと
デキちゃう!
意外な展開でしたねえ。
青天の霹靂大河の奇跡の一滴。
このクソやくざ、若くもイケメンでもない。
イメージとしては『NANA』の高木泰士に
あまちゃん』の組合長と太巻と梅さんを足して
4で割った感じです。
コワモテだけど実は良い人でヒロインはそれを
察しちゃったわけだ(笑)。
読者の心を鷲づかみだ!
しかも、二人の性交シーンまで描かれている
出血大サービスだ。もってけドロボウ!
ところが・・・
このオヤジのバカはチンチン改造してて
真珠のイボだらけで弩デカちん。バカかお前は(涙)
このバカさ加減がみょうにリアリティーがあった。
それでいたすわけですが
まさにヒロインは血だらけなのだ。
ブラッディーマリーじゃねえ朝子だ。

痛い作品だった。いろろな意味で(涙)

あれを思い出して、それを山崎と重ねて
あれが愛なのか・・・?

エロ、グロ、バイオレンス

エロース
わたしが愛を知るきっかけは
それから3年後の1997年のことです。
グロテスク、バイオレンス
どんな描写より
家畜産業の実情のが惨いと思った。
あれこそ地獄、あれこそ鬼だな。

花村萬月
そんな勘違い作家もいたなあ



名付け親の半村良は草場の影で月見ていっぱい